パレロワイヤルの美しくまっすぐに植わった木々の庭、チュイルリー庭園、ベルサイユ、ロダン美術館の庭、いろいろあるけど、公園はロンドンが美しいと思った。さらに、セントラルパークの魅力はもっとすごいと思った。ただ単に私の趣向にあっているだけで、パリの庭が好きという人はいるだろうけど、まず何といっても幾何学的でシンメトリーな造りのパリの庭は独特だった。それに比べてセントラルパークは、なんといっても自然な感じを演出し、落ち着きとか、憩いの場であり、それでいて人工的な手入れが行き届いていて、なおかつ美術品があったり、カフェがあったり、もちろん美術館があったり、ストリートパフォーマーがいて音楽が鳴っていたりする、あの感じは一番だと思うのだった。
何はともあれ、パリ。ベルサイユに行かずにカナダには帰れない、と思っていたので、数日前に予約をして行き方を調べていた。ところが、これまた珍しく雪なんか降ってしまった日に当たったので、色々調べて「この行き方が一番」という路線で行くつもりで、当日の電車の状況など調べもせずにセントラザール駅に着いたところ、ベルサイユ方面のC線というのがすべてキャンセルになっていた。
昔のように、駅員というのが本当に見当たらないのは世界の大都市の特徴だろうか。小さな窓口にやっと2人の駅員がいたにはいた。とりあえず列に並んで聞いてみたけれど、まあ、私を救ったのはインターネットだったと思う。それと公共の乗り物1週間パス(月曜日から日曜日という期間しか有効性を持たないから、水曜日に買ったらかなり損をするというやつ)。これが無かったら私は躊躇しながらかなり大変だったろう。とはいえ、この電車に乗ればつくはずと思って乗った電車も、止まるはずの駅をすっ飛ばして終点まで行ってしまっって、またもとにもどったり、予約の時間には到底間に合わない。初めて雪の景色のベルサイユ方面に行く列車に乗っていると、急にパリから離れて静かな景色で不安になる。寒いし、雪だし、正直断念しそうになった。なんといっても、日本でもそうだけれど、肝心な緊急の車内放送は母国語だけで、何が起こっているのか全く分からなかった。後々考えると、そんなに大変な旅ではなかったのだけれど、その時は「別に帰ってパリ市内の美術館を回ってもいいんだよな」と、モチベーションも下がったのだった。
なんとか気力を維持してやっと着いたベルサイユ宮殿。この時期はそこまで混んでいない代わりに、ガーデンの多くの彫刻はカバーで覆われていて見ることはできない。もちろんそれは承知だったけれど。
というわけで、着いたらこっちのもの。来たからにはメインの宮殿はもちろん、プチトリアノン、グランドトリアノン、愛の天堂、王妃の村里まで、履いてるパンツが結構ぐちゃぐちゃに汚れるまで雪でびちゃびちゃの宮殿の広すぎる庭を歩いて一日過ごしたのだった。昼ご飯も食べずに、途中カフェオレかなんかを飲んだだけだったのだが、心配だったのは、この広い庭園を歩いて回っている時のトイレ休憩であった。これがまた、意外とないと思った。
何はともあれ、若者で男子も女子も一人で私みたいにすべてを自分のペースで回って楽しんでいる人も何人かいて、誰かと一緒もいいけど、一人もいいんだよなーとかってに共感していた。この寒い雪の景色というのも、マリーアントワネット時代にだってあったわけだから、やっぱり感慨深かった。
冒頭でいったように、これ見よがしに作られている庭園は、それはそれは立派ではあるが、それよりも、プチトリアノンに向かう途中に、「あれ、迷ったかな」と思わせるような場所がとっても美しかった。
マリーアントワネットの隠れ家ならぬ、憩いの場であったというプチトリアノンは、あの大きな宮殿を見学した後は、いっそうほっとするような素敵な建物だった。天候が影響してか、プチトリアノンや王妃の村里まで来る人は比較的少人数。本当なら宮殿から出ている送迎電車みたいのがあるのだが、それもこの天候で運行していないようだった。だから、ここまで歩くには脚力と体力と気力がある人でなければできないということもある。天候は時々雨だか雪だかわからないけれど、傘をさしたりレインコートを着てないとだめという一日だった。
とりあえず、ベルサイユ宮殿っぽくない、私の感動した写真を載せる。
ここに載せている場所でさえも、割と近道をしたときの風景で、実際の庭は迷子になっていいぐらい広い。旅行案内人の中村さんも、自身のYoutubeで「この行き方でも行けるんだけれど、とにかく広くて似たような景色が続いて、死にそうになって出られないんじゃないかと思うような経験をした」と言っていた。
最後の写真は、「王妃の村里」の一風景。私は都会が好きだけれど、さすがに宮殿内にあるこのコントラストな風景は感動する。結局、悪天候の中来てよかったと思わざるを得ない、素敵な散歩の一日となった。帰りは早く家に帰って濡れた服を脱ぎ、シャワーを浴び着替えてお茶を飲みたいというその一心。あー、よく歩いた。
宮殿の外をちょっと歩けば、素敵なレストランやお店があることは事前に動画を見て知ってはいたし、ベルサイユの街はとても品のいい街で、治安もいいという事で、雪の日で電車の運行が通常だったらもっとゆっくりしたであろう。とりあえず、やっておこうリストを消化できて良かったということで。
今週のカルガリーは寒かったー。いつもマイナス15度以下というのが私の「寒かった!」という日々なのだけれど、なんとなく一週間おきにめっちゃ寒い週とまあまあな週が交互に来ている感じ。また一週間💛