ちらりと雪は降る日はあるけれど、なんのなんの、例年の11月と比べればまだまだ暖冬。うれしい限り。そしてもう一つ、ダーリンが休暇で里帰り&友人ホセとスペインの北部を回っている間ほぼ3週間、それはそれは楽―な生活。写真はちょっと前に同僚がくれたウサギと取り合えず生きていてくれる水栽培のポトス。
さて、4週間のアパランティスシップをしに来ていたファーストネーションの生徒の期間が終わった。彼女はあと2回ほどアパランティスシップが残っていて、次は2月で病院内となるそう。残りの最後の場所を彼女の住むコミュニティーでリクエストしたという。そこで働くOT(作業療法士)を、我がデパートメントのOTが知っているとのことで、さっそくコンタクトをして鉢合わせ。先日やってきたそのOTと生徒の彼女のみならず、私達も一緒に話を聞いていろいろ知ることができた。
私のわかる限りで説明を加えると、ファーストネーションのコミュニティーはReserveと言われる、一般のファーストネーション以外の人は何か特別な用事がない限り入ることのできないエリアに住んでいて、独自のコミュニティーを作っている。例えば、その近辺のハイウェイで事故があって、通行止めがあったとする。彼らのエリアを通れば難なくスルーすることができるのだが、それはできずガードに止められる。一般の人は事故の処理が収まるまで待たなくてはならないというわけだ。もちろんコミュニティーの誰かを訪問に来たという場合は、それをガードに伝えれば入ることは可能だという。
彼女の住むエリアはMini Thniといって、ストーニー語で「冷たい水」というのだそうだ。参考までにこちらがウェブサイト。
何年か前にコミュニティー内に、ロングタームケアーセンターができたそうだけれど、運営がうまくいかず結局廃墟になっている、と生徒の彼女は言っていた。けれど、OTやPT(理学療法士)なども含めて、エルダーたちにいろいろなアクティビティーや、予防医学やワークショップなどを実施して、ちょっとづつヘルスケアーが発達しているようだった。そこでは私たちのようなTA(セラピーアシスタント)はおらず、PTとOTだけでやっているというから、今回の生徒の自らの申し出にはとてもう歓迎していた。もし私達も興味があればいつでも来てくれ、と言う事だった。
近くの観光場所であるCammoreというところやBanffなどにバスツアーでみんなで行ったり、まあいろいろ楽しいことを企画しながら運営しているようだったけれど、運転はもちろんOTの彼女自身。だからクラス4という大型車の運転免許は欠かせないのだそう。運転手付きのバスをチャーターするなんて、そんな贅沢なことはしない。でもこれは、私の働く施設でも同じで、ボランティアの運転手がいるか、リクリエーションセラピスト&アシスタントの誰かがクラス4の免許を持っていなくてはならず、アウティングのアクティビティーには彼らが自ら運転する。まあ、ヘルスケアーの現場はどこもきっと似たようなものだろうか。
ロングタームケアーセンターがコミュニティー内にできれば、口々に家に帰りたいというファーストネーションのレジテントさん達も、きっともう少しハッピーになれるに違いない、とも思う。同じ言葉を話す人々がケアして、彼らのカルチャー的部分ももっと理解している人々がそばで接していれば、もっといいだろう。と思うのは、正直言って、「わがまま言いたい放題いいなさるな」と、時々疲れる時があるからであることは隠せない。でもそれはやっぱり、どこかに彼らのカルチャー的なことの理解、それから歴史的な理解がかけているからともいえるのは事実だとも思う。
ただし、いろいろな意味で、大変なのも本当。例えば、多くのファーストネーションのレジデントさんはシラミを持っていたりする(もちろん施設では駆除する)。フェイスペインターの友人は、イベントでファーストネーションのReserveへいくと、必ずと言っていいほど子供達の頭にはシラミがいて、動いているのが見えるという。親御さんに伝えても特に気にしないのだという。
車いすなどのヘルスケアー用のものが必要な時は、一般に政府が70パーセントを負担するAADL(Alberta Aids to Daily Living)というシステムがあるのだが、ファーストネーションの人々にはNIBH(No Insured Health Benefit for Firstnations and Inuit) というシステムが対応され、100パーセント負担額がオフになる。ところが、NIBHを通してOTがいろいろオーダーしても、なかなか思うようにいかず、通常より時間がかかったり、思ったものと違うものが来たり、まあいろいろ。
それに私たちのような職種ならいいが、いわゆる日本でいうところのヘルパーさん(こっちではHCA-ヘルスケアーエイドという)の仕事は誰がやっても大変だろう。HCAの大半がフィリピン人、そして様々な移民人種が就いていることは言うまでもない。
だから本当に、今回の生徒さんみたいな方は頼もしいし、なにかこれから良くなる兆しというか、大変だとは思うけれど、きっとコミュニティーを良くしようと言う事に真剣に立ち向かっていくのではないかと思う。この町コークランに来るのには20-30分車でかかるのだけれど、近くにスーパーのない環境なので、まあいつも来ていると言う事だった。なんだかちょっぴりいろいろ学んだ気分。そしてきっとまだまだ学ぶことはあるのだろうけれど。そんな思いを残してくれた生徒さんだった。メールでは早くも次の生徒さんの受け入れを聞いてくる係の社員。次回は2月となる。
そして私は、今週半ばからバケーションを10日ほど取り旅に。また一週間💛