再会のクラスメート:Reunited

  先々週、久しぶりに再会した台湾人の元クラスメート、アン(仮名)と、なんだかとてもいい時間を過ごした。

 Therapy Assistant(以下TA)の資格を取るのに2年行かなくてはならなかった専門学校では、いろいろなことが腑に落ちず、いつも不満ばかり言っていた気がするし、こちらの若い子たちはなんて無責任なんだろう、とか、なんて自分勝手で意地悪!?と、当時感じていた(自分がその程度の受け入れ枠だったのだろう)。カナダ人だけでなく、インターナショナルの生徒や、移民の生徒ともかなりグループワークにてこずり、「なんなんだココは」とイライラしながら友達も作らず終わった2年で、卒業式も出ずに、とにかく資格だけいただいて職に就くという目的を達成したのだった。もちろん、思い起こせばいいなーと思うカナディアンの生徒たちも何人かいたけれど、彼女たちの若き日のことは心にしまっておいて、今でも変わらずにいるといいなと願うのみである。そんな中でも、一人だけ、連絡を取りたいと思っていたのがアンだった。彼女はなんとその当時18だか19歳、ティーンだった。

 その時の彼女はまだカナダの永住権を取っていなくて、彼女の母親がガーディアンとして同居してきていた。学校が休みに入った時、一度彼女とそのお母さんを我が町コークランに招き、下手な料理をふるまって家に招待したことがあった。とにかく卒業後はクラスメートと連絡を取るなんてことは一切せずにいたけれど、アンとはFBでつながっていたこともあり、去年のいつごろかに元気かなとやっと連絡を取ってみたのだった。

 すると、なんと彼女は現在アメリカのジョージア州にいた。同じ台湾人の9歳年上の男性と結婚して(早い!)パートナーのビジネスを手伝っているという。今年の9月には一度カルガリーに訪れる予定だからその時はお茶でもしようと言ってくれたいた。そしてあっという間に時がたち、忘れていた頃にアンから「今カルガリーなの。日曜日にお茶でもできる?」と連絡が来たのだった。

 やっと20代後半になり、結婚をし、仕事もし、色々大人になったのねーと「おばはん」はほほえましかったけれど、あの時のアンとちっとも変わらずかわいくって素直で嬉しかった。話は尽きず、卒業から今に至るまで、この開いていた年月のことをずーと話してくれた。それから結婚のこと、義理のお母さんのいろいろなど、女子っぽい話で盛り上がった。

 彼女が特別私に合うタイプだったというのはあるだろうけれど、なかなかこちらで会う人とは感じられない「ある感覚」というか、なんとも波長が合ってほっとするのは、本当に不思議だ。どんなに「この人好き」とおもっても、カナディアンでこういう風に「わかるわかる」っというかんじで何から何まで、もやっとした感じもなく、自分を作るのでもなく、自然に話せる人は本当に少ない。それは国民性もあるのだろうか。とにかく私はうれしかった。カナディアン独特の、やけに自信たっぷりだったり、自己肯定感が強すぎたり、なんだかわからないけれど、やっぱりどこか分かり合えないところが彼女にはない。「どこか似ていて分かり合えるかも」と感じてしまうのだった。そしてちがいがあっても、「そうね―そうねー、そういう場合もあるわよねー」という、優しい感じで話していられるという、この感覚、わかるだろうか。そう、どこかフワーとしている会話というのか。それは内容が浅いとかそう言う事ではないのだけれど、なんかフワーとしたまま話せる感覚。

 TAの勉強をしていたわけだけれど、それ系の仕事には興味はないの?と聞くと、全くないし、あまり好きな分野ではなかったという。わからなくもない。ある意味、全員ではないけれど、多くの生徒が「就職に困らない」ヘルスケアー関係で、きつすぎず汚すぎない仕事で手っ取り早い分野、というわけで、TAを選んでいる人は多いと思う。特に永住権をこれから取ろうというインターナショナルの生徒や、新移民でこれから職を探しているという人で、卒業後もTAの仕事について活躍しているという人はどれだけいただろうか。

 彼女の場合は当時ティーンだったし、まだまだ自分が何をしたいかなんて、迷って考える時間はたっぷりあるわけで、とにかく永住権を取るのが先だったに違いない。結局結婚であまり苦労せずに永住権は取れたわけだが。

 ジョージア州では、小さな町に住んでいるようで、ヘルシーなレストランのチョイスもないし、あまり好きではないとのことで、ゆくゆくはカナダに戻ってくるつもりだという。ただ、義理の家族の多くがカルガリーにいるから、おそらくバンクーバーに行くと思う、とその時言っていた。気持ちはよくわかる。バンクーバーに行きたいという気持ちと、義理のご家族とは離れて住みたいという両方の気持ちが。

 また会おうねと、名残惜しい気持ちとうれしさを胸にしまって別れたけれど、これからはTAのクラスメートとしてでもなく、同業者としてでもなく、会いたいときに会える友人としていられそうで、花畑にいるような気分になり、思い出すとその余韻がいまだに漂う。それと、若い子はいいわ~とエキスをいただく。

 また一週間💛