なぜか今更また夏?という感じで30度前後の一週間。それでもやっと、秋からのシアターシーズンがスタートし、皮切りの舞台は”The Play Goes Wrong”。オリジナルのロンドンと同じ日に開幕だったそうで、ロンドンでは大人気のお芝居だそうな。芸術の秋はすでに始まっている❤
ということで、本日は芸術つながりで、中学高校での美術が専門だった先生方の話で行って見たい。
まずは中一の時の担任の先生が美術の専門だった。もっと詳しくはボタニカルアート専門だった。だから、さらーと鳥や花の絵をどっかに書いたりするのを見て、すごいんだなーと思った記憶がある。若干伊藤みどり選手のような、低身長のちょっぴり丸っとした感じだった。ショートヘアーでしゃべり方もどことなく男っぽかったけれど、「男子」を相手にしなくてはいけないから、そういう風にふるまっていたのかもしれない。その後、全くというほどこの先生との触れ合いがなく、サバっとした関係であまり思い出がないのが事実。
担任やクラスを受けたことはなかったけれど、同じく中学時代にいた男性の美術の先生。なぜか話す機会があったのは不思議なのだけれど、おそらくその時、絵もうまくて美術好きだった親友、かつ部活も一緒だった彼女の担任かなんかだったというつながりだと思う。とにかくその先生、その頃の私にとって特に印象に残っているというわけではないのだけれど、合唱発表会でクラスの伴奏をしたとき、終わった後に、その先生が一人だけものすごいほめてくれたのがうれしくて覚えている。それから、私とその親友のことに関して、ある時「仲がいいねー。でもね、あんまり仲良すぎるのもよくないんだよ。」と言って来た。「どうして?」(私)。「それはね、あんまり仲が良すぎると、大人になって仲が悪くなる場合が多いから」と、今から思えば「そんなこと言ってくれなくてもいいのに」というようなことを言われたのを覚えている。まあ、直感的で感覚的な方だったのだろう。確かにそういう場合もあるだろうけれど、人間関係はそんな単純じゃないと思っている。
さて高校。高校は美術とは言わずに、あらゆる先生がものすごい個性があって、私はいつも授業より先生たちを観察するのが好きだった気がする。が、まあ美術に絞ろう。ある、若くてかわいくて髪が長くて(腰ぐらいまであった気がする)、まるで女子学生のような先生がいた。その先生はめったにおしゃべりしたり、雑談を長くすることもなく、印象としてはあまり笑わず微笑む感じで、口の堅い、男子にもてる先生だった。授業を教わったこともなく、私たちの学年に担任として回ってくることはなかったのだけれど、テストの監視や、講師が休みで自習になった時に何度か触れ合う機会があった。その先生の何がすごいかというと、自習の間、どんなに騒いでも、どんな悪ふざけがあっても、何も言わない。見もしない。黙ってそこに座って何かやっている(だったか)だけで、鐘が鳴るとさっと帰ってしまう。逆にそういう方が男子は気になってしょうがなくて、騒がなくなるかも?? とにかく、何か冷めている先生で、それでいてものすごくミステリアス&かわいい。女性っぽくて、元気で笑顔でハキハキきびきびした教師では全くなかった。テストの監視中も同じ感じで、周りを歩きながらカンニングがないかとか、そんなことは一切しない。かといって、生徒にはなめられているわけではない。悪さをしたら、注意されないけれど、じっと見られたらぞくっとするような感じがあった。何を考えているかわからないのが子供ながらに怖いと思えたのかもしれない。
高校3年のクラスは就職クラスでなぜか私はそこに入っていて、唯一進学希望の女の子と一緒によく不満を言っていたのだけれど、とにかく不良と呼ばれるような男子が集まってしまい、女子も負けてなくて、一番ひどいクラスだった。そんなクラスのテストの監視役に来たその先生は、上記したように、恐れもしていないが気にもしていないという感じ。ただ一つ覚えていることがある。それは、誰かが質問したのか、何かの話になったのか、その辺は覚えていないのだけれど、「私ね、もう7時ぐらいには寝ちゃうの。それで朝の3時とか4時にはもう起きているんです。」と言ったことだった。その先生は目の下になんとなく茶色っぽいクマがいつもあって、それでちょっと暗いというか、ミステリアスな印象があったのだろうと思う。そういう生活リズムの人がいても全くおかしくないけれど、高校の先生でそれをやっているのは珍しい。その辺がどこか芸術家?または、スピリチャル?なところだったのかもしれない。
最後は、その3年の就職クラスの担任が美術専門だった。またこの先生も、上の女性の先生と共通している所に、何か暗いイメージがあり、目の下は茶色いクマがあった。こだわりを持っていて、背もひょろっと高いほうで、声は大きいほうではない。迫力がないので、やんちゃすぎるこのクラスをまとめるにはちょっと無理だったようだ。男子はなめまくり反抗しまくり、全くうまくいっていなかった。ステンドカラーのシャツを好んで着ていて、おしゃれな方だったけれど、そのステンドカラーはのどぼとけまである体毛を隠すためなのか、そういうところを男子はからかい、女子は気持ち悪いと嫌悪する。いや待て、この先生は音楽が専門だった気がしてきた。記憶とはあてにならない。いや、音楽のクラスも担当していたというだけだった気がする。なのに、声が出なくて歌が上手ではないから、またなめられる。でも私は、この先生の音楽の授業がきっかけでサウンドオブミュージックを知ったことはありがたいと思っている。もしかしたらこれはカリュキュラムで、誰が教えても見るべきものだったのかもしれないけれど、その時の先生の、映画や主人公を演じるジュディー アンドリュースに関するコメントも覚えているし、先生がこの映画を好きなんだな、と言う事も感じた。そして私はその後この映画を「大」がつくほど好きになったのだった。ずいぶん後まで何度も繰り返してみる映画だった。(さすがに今は何を失ったか見なくなったが・・・)
最後の最後まで、反抗がものすごい男子生徒たちで、かわいそうなほど収集がつかず、「最後ぐらい話させろ。」とため息交じりに何かを言っていたが、そんな感じで卒業式の最終日が終わってしまったクラスだった。
サイレンスがものを言う女性講師の一方で、迫力が必要とされる男性講師。二人とも高校の先生なんか、どうしてなったんだろう、となんとなく思う。
職もそうだし、それから、たとえ教師と生徒の間柄でも、人間のタイプの合う合わないというもはっきりとあり、多感な男子や女子はきっと彼らのなりの気持ちのぶつけ方だったのかもしれない。もしもクラスがおとなしいクラスだったら、私はこの最後の担任の先生からもっともっと面白いことを教わっていたのだろうか。まあ、いろいろいい思い出。
さて、月に一本はこれからお芝居が始まる。芸術の秋を自分なりに楽しめたら。カルガリーの小さな世界でも。
また一週間💛