和太鼓パフォーマンス:The Performance of Wadaiko

 フラメンコのクラスメート、仮名レオが入っている和太鼓の団体が日曜日の午後に、Mount Loyal大学のシアターでパフォーマンスがあるから来ないか、という誘いをしてくれたので行って見た。

 彼の息子さんもパフォーマンスに出るということで、すぐにOkayの返事をして早速行って見た。Mount Loyal大学は一度雪の降る寒ーい日に来たことがあたが、雪で埋まった広い校内は全く理解しがたく、要件を満たせないまま帰宅した苦い経験がある。この日は晴天で緑に囲まれた美しいキャンパスを見る。駐車場も簡単に探せた(重要!)。

 会場へ向かおうとするとレオがたまたま出てきた。緊張してなかなかうまくいかないので、ちょっと頭を冷やしにブレイクしようと外に出たところだという。会場を案内してもらって、中に入ると、彼のお姉さんとその双子っぽい息子さん2人と、そして彼のお母さんという方々に会った。

 もう一人、フラメンコ仲間の香港人のAが後から会場に来た。Aは私とほぼ同じ時期にフラメンコのクラスに参加した仲間で、いつもハイヒールを履いていて、何かとブランドもの好き。この日はスペインっぽいサボの靴を履いていたが、やっぱり9センチの高いヒールだった。彼女自身、9センチより低いヒールは履かないと断言するほどポリシーがあるのだった。ブランド好きなところは香港人ぽいとわたしは偏見的に思っている。彼女はこのキャンパスで、以前コーラスのクラスを取っていたとのことだが、一回のクラス時間が2時間近くあって、仕事後にはなかなかきついと言う事でやめてしまったと言う事だ。

 「山の音」という和太鼓のコミュニティーは、その温かさを感じるアットホームなものだった。このスチューデントパフォーマンスの顔ぶれも、本当にいろいろで面白かった。そして何より日本の伝統が元になる楽器の演奏に興味を持ってくれている人が日本人以外でいてくれることは、何ともうれしい。年齢、体系、人種も様々で、中には一人パフォーマンス中に神経の発作的動きが始まってしまって、前列の真ん中に立っていた彼女はマチをコントロールすることができないほど、スパズムで体が勝手に動いてしまっていたが、周りのパフォーマーも観客も、何かするということはなく、温かく無言で最後まで見守っていたように見えた。

 ちなみに、「山の音」の講師を務めている日系カナディアンの女性によると、和太鼓はある日本人が最初サンフランシスコ(だったと思う)に来た時に始め、そこからLA.、そして東や北へと広がっていったという。色々型というのがあるようで、和太鼓コミュニティーはUSAの、なかば道場というか、日本舞踊というか、「なになに先生の教え」というくくりでいろいろなブランチがあってつながっているようだった。伝統や型を重んじていながら、なかには「~先生からのOMIYAGEで、どう形を崩してもいいというピースで、非常にコンテンポラリーにする人もいれば、そうでない場合もありますが、自由に演奏していいものです」というような説明を入れたものもあった。

 最後は盆踊りのように決まった動きをみんなで輪になって太鼓の音色と「そーれ、やーれ」みたいなかけごえと共に踊った。観客のみんなにも参加してほしいから、トイレ休憩に行ってエクスキューズしないようにドアはもうしまっています、と冗談を言っていたけれど、私もAもちゃんと参加。飛んだり回ったりする動きを9センチのヒールでするAを見て「よくやるねー」「我ながら」と無言で目を合わせて笑った。

 生徒さんの中に、おそらく80歳近く入っているだろうと思われる白人女性がいたが、彼女の姿があまりにも美しく、私のアテンションをずっと取り続けた人がいた。冒頭の写真でいうと、一番左にいる。ちょっとクライアントのGを思い起こしたが、こういうのに参加して続けるところはGとは全く違うので、すぐにその思いも消えた。どのくらい長く習っているのかは知らないけれど、年齢に関係なく和太鼓をやっているなんて素敵と思った。

 ちなみに、始まる前には耳栓を配ってくれていたのはとてもありがたいと思った。やっぱりコンサートなんかで高音で音を聞くというのは耳にかなり悪いわけで、この日の会場もオーケストラを聞くような大きな会場ではないからかなりの音になる。太鼓をたたく人も何か耳に詰めていてのはちょっと安心した。

 なかなか良い日曜日の午後を過ごし、次の日から仕事に戻るのも、「こういう楽しみのためにやっていると思おう」と、自分を励ます。

 また一週間💛