アーティスト魂:Soul of Artist

 こんなところがこんなところにあったの?!というような、またまた新たな場所を見つけた。先日のフラメンコのパフォーマンスが行われたカフェで。

 フラメンコダンサーのアナスタシアに加え、メキシコから来ている歌手兼ギターリストであるリカルド、そしてもう一人、フラメンコミュージシャンの仲間である歌い手アントニオ(女性)の3人が、CongressCafeというカフェで、カバーチャージなしでドネーションベースのパフォーマンスを行ったので、フラメンコ仲間と見に行った。

 ステージ横の近々の席には、ビッグサポーターという人や、ダンス講師の男性、同じくフラメンコ指導者とその家族なんかが囲む。ほんとに、アーティストもビジネスも、いろいろコネクションが大事だなと思う。この間、アートの値段とか、アーティストとアートディーラー、キュレーターについてのドキュメンタリー映画を見ていたのだけれど、絵とか作品みたいなのは、アーティスト自身はそれほど高額をもらわないのに、その作品は安く買われて、オークションで馬鹿高く売るのを見たり、ほしい作品は値段など気にせず必ず買い、その値段は「15で買った」とか「25だった」と語る時はミリオンダラーの値で話していたり、すごい世界だなあと、半ば引く感じはあった。

 しかし、パフォーミングアートのサポーターというと、純粋にサポートしている気がしてどこか違う気がするのは間違いだろうか。パフォーマンスのできる場所、音楽などの機材とクルー、そしてオーディエンスがそろえばいい。もちろんストリートパフォーマンスというのはほんとのアートの姿というか、もともと踊りとはみんなが集まって参加していくような、そんな自然な形が基本なんだろうとも思う。そしてこんな風に、カバーチャージもなくやってドネーションを求めるときは、すごく「魂を売っている」姿が見れて、やっぱり素敵だ。しかも、そのステージは2度と同じものではないわけで(同じピースを披露していたとしても)、これこそテクノロジーの発達はありながらも、ステージのご賞味というものは生でいきのこっている。そういう、手に入れられない、所有できない「パフォーマンス」をサポートする人々は、その情熱と太っ腹さと、他の人にもその楽しさを分けているその作業が素敵と思うのだ。

 途中休憩のとき、ステージ横に座っていた「ダンス講師」という男性が、親しいもう一人の日本人の仲間Yに挨拶がてら私たちの席に来た。ザ・アーティストという雰囲気満々で、陽気で面白い感じだった。話してみると、3年間日本は大阪でダンス指導をしていたという。このカルガリーでもCalgary Ballet Art(だったかな)にだいたい日本から留学生というか、研修生みたいな子たちが来るため、日本語はいつも何かしらしゃべっているのだという。私も以前、日本から研修に来ているというあるバレエダンサーのお嬢さんに会ったことがった。その時も、なぜカルガリー?と思ったものだが、彼も同じことを言っていた。「トロントとか、モントリオールとかならわかるけど、カルガリーに来るんだ、っておどろいたよ」と。

 彼はコンテンポラリーダンスとフラメンコのミックスしたような踊りをアナスタシアと考えたりしているそう。楽しいおしゃべりだったけれど、彼のことを深く知るにはもっと時間がかかりそう。なかなか興味深いアーティストとの出会いにも感謝。

 歌手&ギターリストのリカルドを交えたワークショップやクラスはまだまだ続くので、また参加しながらここでもシャアをしていきたいと思う。

 理想の日曜の午後を過ごせ、いい気分で家路に帰った。

 やっと、また雪が解けた。さすがに、そろそろ春にして。また一週間💛