魔法の言葉「ピラティス」:The Magic Word”Pilates”

 雪解けが始まったのが先週の半ばで、今はほぼすべて雪も解け、あたりは相当ブラウンのカルガリー近辺。もう一度雪が来週だかに来るそうで、正直もういいのに―、という思いが募る。写真は雪解けし始めたときの風景。

 さて本日のお話。体にいいことって結局心理的な部分が大きいかもしれない。というか、その人がいいと思っていることをやるに越したことはないのかな、という意味で、そうなんだ…と思うことがあった。

  プライベートでピラティスと言う名前でセッションをさせてもらっているGだけれど、彼女の旦那様、C氏について。C氏は生まれつき腰の異常があったり、バイクが好きでバイクツーリングをしているときに、ろっ骨を折るけがをしたり、まあいろいろ。80歳近くなってきて、このところ股関節や腰の状態がよくない。

  そこで、色々な医者を試す。去年の暮ぐらいから「よさそうだ」と信じて続いたのが、あるフィジオセラピストだった。いわゆるフィジオらしい、筋肉強化系のエクササイズのシリーズを、スカンジナビアのどこかの大学が作ったプログラムから抜擢してC氏に勧めた。C氏はそのプログラムを私とやってほしいと言う事で、2か月ぐらいそのプログラムに従って、週二回のセッションで、ちゃんと段階を追った強度も加えながらやっていた。

  GとC氏はロンドンにアパートの部屋を買ったので、そのケアをしに1か月間不在で、最近やっと帰ってきた。帰国後初のクラスのために伺った先日のこと。またあのプルグラムの続きをやるのかと思っていたら、「もうあのセラピストとは終わった」といい、自分でいろいろ調べた挙句、やっぱり強化運動より、ROM(レンジオブモーション)が最も大切だということにたどり着き、ちょこっと強化を含めながらも今まで道理のピラティスのセッションに戻したいと言う。ほお。

 もともと私とこんなに長く続いているのは、C氏にとってピラティスエクササイズがどこか腑に落ちることがあるからだろう、と思っているのだけれど、実際ピラティスっていったい何なんだろうか、と実は私自身は思っている。というのはこういうわけだ。ジョセフ ピラティスが作ったクラシカルピラティスと言われる原型も、そのとうり残って実施している場所は少なく、1920年代に作られた彼のメソッドを今の人類の生活習慣ンにピッタリ当てはめて行っても意味がない、と言う事も言われ、それこそフィジオセラピストが取り入れて、ピラティスの機材を使って教えていたり、様々なボディーワークのメソッドが合わさっている教え方をする人も多くいる。もうほんとうに、何が純粋なピラティスというのかわからない。

 もちろんよく言われる、「ピラティスとは体幹運動」というのはその通りと思うけれど、ジョセフピラティス自身がコアとか、パワーハウスなんて言葉を使ってメソッドを説明していたと言う事はなかったというのはどのインストラクターも知っていると思う。

  私自身もそうなのだけれど、関節炎が年齢とともに現れはじめるのは珍しくないことで、C氏も結局その症状で、右股関節の軟骨がまったくすり減ってしまっているらしい。GもC氏も一度健康に気を付け始めたらとことんやるというところが共通していて、二人ともそれぞれの食事制限をしたり、C氏にかんしてはある人からアドバイスを受けた運動というのがあって、そのツールまで買い、すごくコアな知識を得て怠けることなく実施している。C氏いわく、ヒップオペレーションをどうしても避けたいと言う事だ。

 というわけで、とりあえず私の提供する内容も悪くないっぽいのは一安心。体の堅い自分はピラティスよりもヨガの動きをする方が今の体には利益が大きいと思っているのだけれど。ジョセフにサンキュー。クライアントにサンキュー。それにしても、Youtubeではいろいろな運動が見れる。こんなこと昔は信じられず、いちいちビデオを買ったり、資格を取るためのクラスを生でとるしかなかったのに、なんとよい時代か。ジムになんかに通ってお金をかけなくてもいい。Youtubeとそこにアップする人々にサンキュー。自分に合ったものを好きなだけやればいい。

 とにかく体は動いていたほうがいいというのは共通語。

 また一週間💛