クライアントGを2日前の夜、「どうする?行って見る?」とさそって見てたワンマンショウの「Made in Italy」というお芝居。
日曜日のマチネはご覧のとうり、白髪の方々が目立つ…というかほぼそういう方でいっぱい。自分も含めて。Art Common というこの劇場は、こじんまりしてていい感じ。Gと隣同士で座れる席が2階のメゾニしかなくてネットで予約をした。ちょうど写真を撮っている場所だったのだけれど、最高だった。
いつも席によって値段が違っていた気がするのだけれど、このお芝居に関しては全席同じ値段だった。当日の朝にGのピラティスのセッションをして、また午後に迎えに行くという感じだったため、絶対行くよね、と念を押して確認。夜遅いとGの気が変わる可能性もあるとおもったけど、マチネはいい💛
この間フラメンコの夜のパフォーマンスに誘った時、おしゃれしてきてね、と言ったのに全くしてなかったので、今回は「chicできめてきてよ」とも念を押した。
やっぱりそういう機会を作ってその日を楽しむというのはかなりメンタルにいい気がする。旦那さんが友人たちとバイクのツーリングをして楽しんでいるので、Gは愛犬とお留守番。いい機会だし、何しろ素敵な物を持ってはいるし、「いつ着るの」と嘆いているので、ぜひおめかししてきてほしかった。
バーベリーのショートジャケットをまとい、ひそかに高級のジュエリーやら時計やらを付けて、Chicに決めて登場してくれたG。バッグはヴィンテージのシャネルにしようと思ったけど、出すのがめんどくさくてこっちにしたわ、と持ってきたのはヴェルサーチ。イタリア人の彼女だから、私が感じるよりもっと深く感じることがあるだろうと思っていたこのお芝居は、二人でそれぞれとても楽しんだと思う。彼女はロンドンへ行けば必ずお高いチケット代を払ってブロードウェイを見るけれど、カルガリーで劇場へ行くなんてとみくだしていたわ、と、この小さい劇場も劇自体も気に入ってくれた。
芝居の内容は、実際に南部のイタリアから1970年代にカナダのアルバータ州はジャスパーに移民してきたイタリアンファミリーの話に基づいて、役者のFarren Timoteoという人がプレイライトでありながら演じる。Gはローマ出身のお父様ともっと北のドイツに近い出身のお母さまの元で育っているから、南と北のイタリアの違いというのも大きいようで、そんなことも話しながら、インターミッションではロビーでべちゃくちゃ。
そろそろ公判が始まる合図が流れたので、中へ入ろうとしたところ、アッシャーをしているボランティアの女性が「どうですか?たのしんでますか?」と話しかけてきた。「とっても楽しんでるわ。私はイタリアから来たけど北の方で、このお芝居のセリフは南部のイタリアだからわからないこともあるけど」とGは答える。もちろん劇は英語で行われているけれど、たまにイタリア語を交えて笑わせているのであった。続いて「あなたはどこから来たの?」と聞くG。一瞬ためらったように見えたけれど、次の瞬間「ペルシャ」と答えた。 私はペルシャの古い歴史ももっと知りたいし、素晴らしいと思っているから「そうなのー」と笑顔で答えて素敵ねーと本気で思ったのだけれど、ペルシャというのは今のイラン。なぜイランと言わないのかというのが引っ掛かった。
まあそんな話はともかく、楽しいひと時を過ごし、Gが初めてカルガリーで劇を見て、捨てたものではないと思ったことは何より。私も、劇場の楽しみってどれだけ有名な劇を見るかとかじゃなくて、アクターとの距離が割と近くって、ライブであることがなんといっても大事で、見ている側と芝居をする側で作る時間と空間は何より面白いと思う。
昨晩からちらついた初雪が、ただ今月曜日の午後には景色を雪景色に変えている。これもライブ。劇が始まる前と後で、外の広場でプロテスター達がアクションを起こしていた。はじめはイスラエルのプロテスターで、帰りはパレスチナに変わっていた。こちらもライブ。ふっと疲労感に襲われることもあるけれど、それもひっくるめて素晴らしい一日。
また一週間💛