コメディー:Comedy

 先週の花は見事に咲いてくれてよいにおい❤ 中には双子の花があった。

 今週末は涼しく、最高温度14度で雨模様という寒い日なのだけれど、なんともこういう日があるとちょっとホッとする。暑さが緩むからではなくて、「特に頑張らなくていいのでゆっくり過ごせば」と提案されているような気になるからなのだけれど、果たして多くの人はそう感じるのだろうか。

 読書日和だな!と思いきや、Primeの映画にはまる。見たのはTriagle of Sadness、邦題「逆転のトライアングル」というスウェーデン人のリューベン・オストルンド監督の映画だった。2022年の作品だから、日本でもすでに公開済みだと思う。コメディーなんだけれど、なんとも言えない人間や社会の悲しさが苦い後味で残る。そしてまたしても、邦題がどうもしっくりこない気がしてならない。「逆転」が大きなポイントではなくて、トライアングルにある関係がどうにもこうにも変わらなくて悲しいという思いが残る映画だっただからである。

 そこには階級があり、人種があり、性差別があり、逆性差別があり、人間の本質があり、愚かさがあり、「もしもーーーだったら」というシナリオでは事実人間の階級やお金なんて何も物を言わない、と思わせておきながら、悲しいかな「そのもしもはもう手遅れで、実際はお金が隅々まで物を言う世界になっている」という思いが最後には匂わせる。ある意味希望を持たせておきながら失望させる嫌な映画だった。これをタダのコメディーとみてしまうと非常にくだらない映画で終わってしまうだろうけれど、そうでないところがカンヌ国際映画祭でパルム・ドールという最高賞をもらっただけあるというところだろうか。

 この監督の一作前の作品が「ザ・スクエア」という作品で、こちらもぜひ見てみたいと思った。もうすでに両方見たという方には「あの話か」と退屈かもしれないけれど、一応まだ見ていないという方もいるという前提で話を続けさせてもらう。とにかくこのトライアングル・・・の作品では、「男尊女卑というけど、これはどうだ?」 「人種差別というけれどこれはどうだ?」 「階級差別というけれどこれはどうだ?」と、結局すべての人間に愚かしいところがあるということを見せられる。

 ところで、ミシェル・ヨーというマレーシア生まれのアジア人女性がオスカーの主演女優賞に輝いたことは記憶に新しいことだと思うけれど、カンヌでも、役所宏司が男優賞を取ったりと、アートやカルチャーの世界では人種に関しては寛容だよなとちょっとうれしい。この「トライアングル・・・」のかなり大きな役を演じたドリー・デ・レオンというフィリピン人女優は、ホントに名演技だったと思う。フィリピンの桃井かおる的なところがあってよかった。

 この映画は冒頭でも言ったようにコメディータッチなので、やっぱり基本は軽く笑いながら見ていくのがよいように思う。途中きたなーい!!!と思うハチャメチャシーンが長く続くし・・・。

 

 さて、なんといっても外の緑は美しいし、食べ物にも住むところにも着る服にも困らないどころかかなり贅沢ができるこの生活に感謝しながら、このブログで一人友人とつながっていることもなんだか夢のような話。もしかしてそれ以上の人とつながっているなら、これもまた夢物語のようで非常にうれしいことである。画面でいろいろなアートの鑑賞ができるのも素晴らしい世の中でありませんか?! ははは❤

 週末というのはわくわくする、待ちに待った日という反面、なんとなく思うように使えなくていいのかなという気分になる時もあると思う。でもやっぱりワクワクを想像して、また一週間💛