奈良パート2明日香村:Nara Part2 Asukamura

 次の日、明日香村というハイキングコースになっている村で一日過ごした。電車で行きながら、前日行った今井町の駅を通りすぎ、なんだまた同じ方向に行くんだ、しかもこんなに今井町へ行くのは便利だったとは、と笑ってしまうぐらいどこへ行くにも便利だということを知らされる。

 明日香村はぜひ駅前の自転車レンタル屋で自転車を借りることがおすすめとYoutubeで見ていたのに、またしても私達は全部徒歩で決行。ひそかに思うのだけれど、ダーリンは自転車乗れるのだろうかと疑う。

 コースのところどころに見どころがあるのだけれど、亀の形をした岩が見どころになっていたりして、たどり着くと見過ごして通り過ぎてしまうほどのものであったり、またその岩がなぜこのように見どころになっているかを説明すると、日本語ではなるほどーと思うのだけれど、英語に訳すとシンプル過ぎてか、または私にもっと深い知識がないせいか、なんだか神秘感も薄れる。なぜこのような岩を見るためにはるばる歩いてきたか、と思わせるような・・・。

 それでも美しい田舎風景のハイキングは、二人とも足に靴擦れやそれぞれの痛みを抱えながら楽しんでいたと思う。鶯のホーホケキョはどこでも聞こえるし、この春の新緑や花々に人のいなさ。なかなか日本の観光場所では味わえない豊かさ。コースは南側に行っていったん駅に戻り、そのあと北へと進むことになっていた。欲張って両方、しかも徒歩で行って見ようとする私達だったので、南側が終わった後は昼食をとることに。

 すでに結構疲れているのだけれど、これで帰るわけにはいかない。予定通り北側へ。

 私は食後、どうしても草餅が食べたくて、小さなお店を見つけ、おばあさんが奥に座ってみたらし団子か草餅を売っているのを発見した。草餅はありますか、と聞くと、「凍っている」という。え?あ、作りたてではないんだ、とびっくり。だから焼くのに10分はかかるというので、ダーリンを待たせるわけにはいかないよなーとあきらめる。じゃあみたらしにしようと思ったら、1個だけ売るということはやっておらず、5個とか10個とかのセット売りという。なるほど、奈良の駅前ではいつも行列を作って売っているきな粉付きの草餅やがあったが、そこの売りは何といっても手作りのおもちを一個買ってその場でパクっと食べれることだろう。でもそういう売り方ができるのは人が多い所だからであって、このような人里離れたところでは割に合わない。「せっかくだから一個解凍するよ。」なんて親切を期待してはいけない。「一個だけほしかったんですけれど」というと、「それはないね」とあっさり言われた。

 後半もかなり歩き、そろそろ疲れたし、あと他に見るものはないかもと思い引き返したとき、ある看板を見た。「岡寺」という厄払い寺だったとおもう。なんか縁起がよさそうだし、ここは行こうとYoutubeで見て思っていたのを思い出したので、ここを最後にして帰ろうと決めた。

 もう3時半近くだったと思う。お寺とかは通常そんなに長く開いてないんじゃないかと思い、急ぎ足で行くことに。と言っても、なんだこれはと思うぐらい、急な坂道を永遠登っていくことになる。大げさに言っているのではなくて、本当にきつい急な坂で、まだ?え、まだ?と永遠と登るのだった。

 汗だくになってやっと着く。ダーリン、入場料無視してとっとと入口へ入るので、アルバイトの女性が慌てて引き留めようとする。何とか追いつき「あ、払います」と私が言ってやっと安心して席についてチケットを二人分発行してくれた。

 せっかくだからお線香を。

 本堂(というのだろうか)の中に入って銅像を見たりもできるのだけれど、それが4時までとなっていて、あと数分で4時だったためあきらめ、寺の周りの手入れをされた庭にような奥の方へ上がっていき、高台からの眺めと見事なシャクナゲの花々を堪能。

 若めの女性が一人で来ていて、ザ・ハイキングの靴や装いの私達とは違い、ロングスカートに普通の靴でここまで来て、やっぱりシャクナゲの花の咲き誇る寺内を楽しんでいた。ほかに外国人カップルが見終わって帰るのにすれ違ったり。ここまで来る人々はえらい!と思った。

 「もっと早くここに来たらよかった」と思わせるお寺とその周りの人々の暮らし。途中の坂のあちこちにはカフェもあって、4時過ぎてなければ一服していて甘い物なんかも食べたよなと思わせる(ちなみに日本にいる間はすっかり白砂糖カット中なんて即解禁、和菓子に異常に目がない状態だった)。あのきつい坂をゆっくりとカフェなんかに入りながら来れたらもうちょっと余裕もあったことだろう。

 なんといっても観光客が少ないのがよい明日香村。自転車で来ていたらかえって大変だったろうから、歩きでよかったのではないだろうか。

 一気に疲れが飛ぶ達成感。

 そしてホテルの部屋でくつろぐ時間が待ち遠しい二人は家路へ。夕飯はスーパーのお寿司を買って喜ぶ。

 もう少し奈良で。また一週間💛