クライアントのGと料理教室へ行くことになった。
Cuisine Chateauという料理教室がカルガリーのダウンタウンにあり、Gが見つけて日本食を選択。いっしょにいく?と聞かれてもちろんいかないわけがない。テキストでせーのと予約をしあい、「終わったわ」「私も」と二人で別々に予約を済ませた。
内容はJapanese Bentoと書かれていて、から揚げ、寿司、みそ汁、キャベツのサラダと、特に変わったものではなかったが、いったいどんな人がどんなふうに教えるのかには興味があった。
結論から言って、ここで批判しろと言われればいくらでもできるという感じなのだけれど、ポイントはまあ楽しい時間をGと、そしてそこで会った人と過ごすことが第一だったし、日本のような素晴らしい料理教室をカルガリーで求めることが間違っているのかもしれない。
講師を務めたのは、ラーメン屋をここカルガリーで開いたことからキッチンスタッフ、または彼曰くプロのシェフとして働き続けて、同じような日本食のクッキングの指導をSAIT(私も行った専門学校)でしているという日本人のおっちゃん。クッキングより話が長くて、聞いている時間のほうが多かった。しかも英語もものすごく流暢というわけではないから、この日来ていたカナディアンは相当寛容か忍耐強かったと思う。それでも「もう雑談はいいから」というような空気を途中感じた。
肝心のクッキングは、ここに用意してあるこれとこれを混ぜて揚げるだけ、とか、時間が押してきちゃって寿司巻きのデモンストレーションをしようと慌てて、あ、でもここで1分デザートを見せるんだったとあっち行ったりこっち行ったり。1分デザートは、紙コップを使って、小麦粉、バター、砂糖、抹茶を混ぜて1分チンして出来上がり、みたいなものだった。なんでこんなものを日本食を教えるために選んだのかが不思議である。抹茶を入れれば日本食?(笑)さすがに「何をあなたが今しているのか教えてくれる?フォローできてないの」という声がちょっといらいらと共に上がった。
そんな中、Gは始終マイペース。自分なりに楽しみ、クッキングはすべて私に任せて見るだけ。途中ワシントン州にいる息子さん親子からテレビ電話がかかってきて、「私の息子と孫息子よ」と紹介してくれて「今話せないからまたね」ととりあえず電話を切ったり。さらに、「ちょっとお昼食べ過ぎちゃって全く食べれないわ。すべて持ち帰ることにしようかしら。」みたいな。結局みそ汁だけ試食したGだったが、一人で申し込んでいた隣の中年の男性とも時に会話をしながら私たちは楽しんだ。
このクッキングクラスは、全く料理が初めてな人とか日本食に興味があるけれどよく知らないという人にはいいのかもしれないが、半数の人が中年のひとだったから、料理初心者ではない人には物足りなかったことだろうと正直思う。しかもこのご時世、Youtubeでもネットでもレシピや料理法などは調べられる。若者8人、中年8人が別々のテーブルに案内されて座っていたけれど、実際中年組の人たちは、最後にまだ講師のおっちゃんが割とどうでもいいことを徳ネタのように話し続けている中、歩き出し帰る準備にかかっていた。5時半に始まるはずがなかなか中に入れなかったのに加えて、もう8時半近くなって作るものもないのに長々と話し続けていた。
正直なところ、20年、30年前ならともかく、日本食屋さんはどこにでもあり、もうちょっとレベルが高い内容でないとクレームが出るのではないかと日本人の私は思った。お値段も140ドルしている。これはものすごい珍しい寿司ネタが出てくるならともかく、メニューの内容からしたら高いほうだと思う。しかし半数の参加者が若者だったので彼らがどう感じたかは聞いてみないとわからないが。それから、ほかのイタリアンとかフレンチとかの料理教室がどんななのかもわからないので、他と比べるということもしづらい。
Gはイタリアン気質で割となんでも柔軟な人だし、値段がいくらしたからどうとか言う事に全くこだわらないから、冒頭でも行ったようにマイペースで何を期待するでもなく楽しんでいたようだが(だいたい本当にクッキングを習いたいと思ったかは不明)、私に感想を聞いてきたので、率直にここにつづっているようなことを返した。それにはGもちょっと同感することがあったようであったが、「レシピをもらったことだけでもプラス。そして楽しく夜を過ごしたと言う事で丸」と、二人でその晩は締めくくる。
ちなみに、なんていってもGはよくドタキャンをする。Gにとって$140払ったということなど全くキャンセルを躊躇する動機にならないので、これも危うくキャンセルしそうだったのだが、私がその日の朝ピラティスのセッションをしに行っていたので、「今夜は絶対行くよ」と確認していた。「ピックアップするから」というと、「わかった。なら行くわ。駐車場を探すからそのナビは任せて」と言う事で100%コンファームできたのだった。あー危ない(汗)。
後日、Gがセッションの前に「やっぱりあのクッキングクラスの講師はDisorganaizeだったと思うわ。」と私に感想を打ち明けた。私もよっぽどどこかにコメントをするか、他の人のコメントはないかとFB、インスタ、ツイッターをサイトからのぞいたが、直接クラスにリンクするところもなく、あまりアップデートされていないようだった。
講師のおっちゃんは人が良くて、きっと話せば楽しい人なんだと思う。だいたい英語で話すのはちょっと苦しそうだったから、日本語で話したらもっと感じは違うはず。けれど、前回のブログでつづったように、一人一人の日本人が日本代表という気持ちはいつもあるせいで、おっちゃんもうちょっとちゃんと料理の仕方を教えてほしかったなー、とちょっと残念感があった。まあおかげでプロでいる姿勢を改めて見直す機会になり、自分の姿勢を正すのに良い経験だったとは言える。
最後にGが例の紙コップで作るという1分間ケーキを持っている写真だが、二人ともこのケーキに興味がなくて実は作っていない。Gが持っているのは講師が見本で作ったもので「プロが作った物がいいの」といかいっちゃってGがもらって持ち帰ったものなのだけれど、あたかも作ったように写真を撮った。持ち帰って食べたかというと、「捨てちゃった」という。
「また何か楽しいものがあったら教えてね」とこの間のセッション後にG。もちろん!Gは私の好きな黒柳徹子さんに似ていて、結構大胆で強烈な人のイタリアンバージョン。一人遊びも割と特異な自分だけれど、気の合う人と何か一緒にするのはやっぱり楽しい。
そしてこの週末、セッションの前夜に「明日は友人たちとカフェデートだから夫だけでお願い」とテキストが来た。まったく自由な人。でも最近までいろいろ体調も崩して元気がなかったから、Gが楽しんでいるなら良いとする。
また一週間💛