芸術鑑賞:Art Appriciation

 去年の暮、「若草物語」の劇を見に行った。

 同じ職場で以前働いていたOT(作業療法士)のリンジィーとは、時々お茶に誘えば付き合ってくれ、彼女のほうからも集まらないかと声をかけてくれる、良い付き合いが続いている。

 その彼女が「この日の夜、フリーチケットがあるんだけれど興味ある?」と誘ってくれた。もちろん、若草物語のような内容は子供でもいればともかく、ものすごく見たい!という内容ではないものの、「出かける」「アートに触れる」「劇場の雰囲気を浴びる」そして何より「リンジィーと出かける」と言う事がとてもうれしかったから即答。

 実は、彼女のお母さんがコートチェックのボランティアをしていてフリーチケットをもっていたのと、そのお友達もアッシャーのボランティアをしていて、娘さんにフリーチケットをもらっていたけれど都合が合わなくなった、と言う事で、チケット一枚どうしようといろいろ当たってみたところ、最後に私になったと言う事だった。

 前半、別々の席で劇を見ていた。私には前から5列目ぐらいの上等の席をくれて、彼女は後ろの方で。インターミッションの時は彼女のお母さんとそのお友達と私たち4人で、ほかのみんなもしているように劇場の外で立っておしゃべり。その後は後ろの方でみんなまとまって見れそうな席があるというので移動した。

 お話は少しアレンジしてありそれはそれで面白く、久しぶりに生の舞台を見てそれぞれの役者さんたちのすばらしさにほれぼれし、こういうクラシックな物語を見るのも悪くないと本当に思った。舞台装置はゴッホのイマーシブ(だったと思う)を思わせる、近代的なテクノロジーを使ってのアートワーク季節感やその場面の風景などを演出させていた。

 この舞台では、すべての役者たちが登場前にセッティングのテーブルを持って来たり、次の章に移る時はそれぞれが協力してさっとベッドやほかのものを舞台から運び去るのだった。

 後半後ろの席でリンジィーたちと一緒に座ってみて思ったのだけれど、前から5列目とか、役者さんの表情がしっかり見える席とそうでない席というのは、まったく味が違い、ことに前の席から後ろの席に移ったりすると、その味の違いが明らかだった。と、当たり前のことのようだけれど、改めて感じたのだった。

 それにしても、それぞれの役者さんはしっかり役に入って演じていたし、それぞれの役にあった体の動きをしていて素晴らしかった。みんな舞台の上では目がキラキラしているように見えて、コメディーの入っていたこの若草物語のバージョンを、とっても楽しいものにしてくれていた。生で見るというのはこういうしぶきを浴びられるからいいのだろう。

 劇が終わり、別れを告げて、一人駐車場へ向かって家路へ。久しぶりの夜のお出かけはとっても満足できるものだった。まだまだ日が短くて6時には真っ暗だし、朝は8時ぐらいまで暗いのだけれど、これからまた明るくなったらもっともっと腰軽くでかけよう!と思っているのだけれど。

 また一週間💛