美術館の日パート1:Museum Day1

 ずいぶん長いことNew Yorkに住んでいたくせに、当時はその有難さを十分味わい尽くせていなかったと振り返る。

 今回は改めてNewYorkのすばらしさを体感し、堪能し得たのではないかと思うけれど、まだまだ時間が足りないので、何度行って楽しめることは間違いない、大人が一人でも楽しめる街だと確信する。

 ことに美術館に関してはグッゲンハイム美術館もホイットニー美術館も今回初めて行ったのだった。でもこれはやっぱり住んでいるといつでも行けると思ってしまいがちで、ものすごくアートに関心がない限り意外と珍しいことではないと思った。AirB&BのオーナーもNew Yorkに来て10年未満のとのことだったが、グッゲンハイム美術館にはまだ行ったことがないとのことだった。

 しかしメトロポリタン美術館だけは、たいていどんな人もとりあえず行ったことがあるのではとおもう。そのくらいメジャーだし、私もここに限りは両手の指では数えられないくらいは訪れていると思う。

 そしてまた今回も。美術館に入って右側を行けばエジプト関係の展示と美しいガラス越しのセントラルパークに面した部屋にたどり着くのだけれど、入って左側のギリシャの彫刻や細かい壷などの展示も大好きなので、今回はそちらへ。そして特別展示会としてはピカソなどのキュービズムにフォーカスした展示があったのでそれを目的に。

 建物自体が美しく、この空間に入るとうっとりするのがこの左側の部屋たちで、このような美しい彫刻や建物に囲まれた場所に大昔の人々は暮らしていたかと思うと感無量。そんな想像の中に入るのを容易にするのは何といってもメトロポリタン美術館自体の美しさだと思う。

 キュービズムのほうは、これまたちゃんと説明を読んで入ると、当時のキュービズムの先駆者だったアーティストたちの作品は、実はトロンプ・ルイユという手法の作品に影響されているという新たな見方を踏まえての展示会だったということを知る。そして、これは絵なのか、はたまた本物を張ってあるだけなのかというのを見抜くというのも今回の楽しみの一つで、私も含め、ものすごくそばによって首をかしげながら作品を凝視する人々。

 それにしても、かの有名なあの画家の作品をこんなにたくさん見れるという喜び。

 その頃の世界情勢、政治情勢、メディア、アクティビスト、芸術家たちの表現や心情なども踏まえてみていると、とても感慨深い。

 ここまで来てかなり疲れたので、上の階にあるカフェで一服しようかと思いきや、長蛇の列。この日は台風の影響で外は雨なので、こういう日はことに美術館日和。いつもより人が入る日で、一日美術館でゆっくりしようと思う人も少なくないのだろう。機械のように飲み物を売っている人々を見ながら、あまりおいしいコーヒーも飲めそうにないし、並ぶぐらいならちょっと座って休んでもうひと頑張りした方がいいと考える。

 どうしても素通りできないのが2階の通常展示であるヨーロッパの絵画。ここは何度も見ているけれど、もう一度ざっとでも通って帰ろうと頑張る。ついでに中国や日本の陶器などの展示があるのもこの階。やっぱりすてき。

 夕方からは本格的に雨で、歩道も車道もごった返した。歩行者と車の両方が多いと、これまた悪連鎖してとにかく車は動かない。なんとなく地下鉄もごった返していると想像すると、混んでいてもすたすた外を歩いたほうがいいと、イーストビレッジに向かって歩くことにした。

 と、途中、5番街のユニクロ店発見。今回は機内持ち込みの荷物のみで旅行しているので、買い物をする予定はないし、ことにNewYorkのタックスとアメリカドルの高さを考えて、カナダで買えるものを買う必要はない。けれど、近くにユニクロがないので、いつも試着ができなくて悩むから、とりあえず試着をできればと店内に入った。で、でかい!五番街のユニクロ店はさすがー!

 マンハッタンは本当に歩ける楽しみがある。時間さえあれば上から下まで途中休憩を入れながらなら余裕で歩けるし、街並みを見ながら歩くのは全く苦ではない。ただ雨が激しいこの日はちょっといろいろ不便はあったが。とりあえずイーストビレッジに到着。おひとり様の夕食は「蕎麦屋」へ。そばを頼むと思いきや、鮭いくらどんとなる。

 さすがにお腹もすいていた。サービスで出るほうじ茶なんかもカナダではなかなかないからうれしい。落ち着いた良い店内でゆっくり夕飯を食べた後は宿へ向かう。

 また一週間💛