なんでAirB&Bにしたかは、プライスだったかあまりその時の動機を覚えていないのだけれど、特にすごく安かったわけではない。
はじめはマンハッタンのアッパーイーストサイドにしてあったのだけれど、New Yorkの治安は大変悪く、ブリックリンはかろうじていいかもという情報を聞いて、急遽ブルックリンに変えたのは確かだった。でも後々考えると、ラガーディアから一番遠いブルックリンのAirB&Bにわざわざしないでも、家族で来ているわけではあるまいし、短い滞在中料理もしないとなると、普通のホテルでよかったかも…と思う。
とはいえ、時間は短くも、オーナーとオーナーの彼女との出会いがあって話す機会があったりと、後とで全くつながるような関係にならなかったとしても人との交流があったということはプラスだったと思うことに。
Brooklynはあまりなじみのある場所ではないのだけれど、マンハッタンと同様なかなか建物が古くて素敵な場所だと思う。ひとくちにBrooklynと言ってもかなり広い。中には本当にうっとりするようにケアーが施された家がある。
さて、今回の滞在中2人の友人と会えたことはとっても大きかった。彼らはともに、当時学生をやりながら生計だけは自分でやりくりしようとレストランでアルバイトをして、同じ士気を持ちながらNew Yorkで人生を謳歌して生きていた友人達であった。
まず一人目。彼女は7つ年下で2人のお子さんがいる。フルート演奏者で、後にオーケストラの仕事やフルートの講師をしながら生計を立てていたのを覚えている。旦那さんはアメリカ人のやっぱり音楽家で、現在は大学で講師をしているとのこと。私が泊っている辺りでレストランを調べてくれて、ブロンクスから車でひょいと来てくれ、おまけに何十人で分けても余るぐらいのおいしくて大きなキャロットケーキをお土産に持ってきてくれた。
不思議なことに、今自分が興味を持っている食の話と彼女が向かっている方向性が一致していた。とはいえ、私にとってホリスティックライフというような言葉は新しくなく、やっと実生活で年齢と共に必要に駆られて再び考え直すようになったというようなところだろう。肉抜きをしているわけではないけれど、気を付けないと自然とそういう食事になる私と、アーユルヴェーダやKato食に興味を持ってからは肉抜きをしているという彼女。私はどっちかというと砂糖抜きをする方に意識を向けているのだけれど、いただいたキャロットケーキは少々味見をさせてもらい、あとはオーナーに。ブロンクスでは有名なキャロットケーキ専門店で、サンクスギビングの日には人々は行列を作って買いに来るほどの貴重なケーキだった。
そんな二人が選んだ場所はSistersというお店。かなり野菜中心のランチを二人で。何十年ぶりの再会なので、話ははずみ写真の一枚もとるのを忘れ、あとで「写真忘れちゃったよー。」とテキストしあう。昔から趣味がよくておしゃれでスタイルのある彼女はまたいっそうアーティストの貫禄があって素敵だった。
自分の趣味ややりたいことを温めながら、今は子育てに集中し、時に髪を振り乱して頑張っている姿が、昔の20代の彼女からは想像ができないほどたくましい。ついでだからとアッパーイーストまでそのまま車で送ってくれたのだけれど、ニューヨークをドライブしてくれる友人がいるとはなんとありがたき機会だったか!途中話に夢中になっっちゃって、えええ?!?!というところに乗り込んじゃって、後ろの車が相当驚いていたのだけれど。
彼女の車の助手席においてあったCirceという洋書のペーパーブックを、その日、Upper Westsideのまだ健在だったBarns&Noblesという本屋で即買い。私が本のことを車内で聞くと「あー、これ知ってる?New York timesのベストセラーリストに入っててさ」と話は続く。ある本好きのサイトがあるとのことで、そのサイト(またはサークル)内で推薦されたということで、あまりNon-fictionは読まないのだけれど、これは読んでいるとのことだった。彼女との再会を祝う意味でも思い出にもなるので私も買ってみたのだけれど、なかなか読みやすく面白い。キルケというギリシャ神話の基づいている。
大好きなセントラルパークを突っ切り、どれだけ変わったか変わっていないか、どうしても行かないわけにはいかないアッパーウエストサイドをふらりと散歩して、あとは夕飯を食べて帰ることに。お店なんかは変わっている所もあるけれど、古き良いものは残そうと努力するNewYorkはやっぱり変わらないところが多いと思った。写真上はダーリンと出会ったホテルバルクレア―。今は高級ホテルに変わったけれど、当時はユースホステルで反イリーガルなことをしながら生計を立てている若いインターナショナルな人々の集まりだった。ある年のクリスマス、私はカンザスで学生をしていたのだけれど、再びNew Yorkへ来た。そしてこの建物の最上階のちょうど写真でもわかる右側の丸い窓が特徴なその美しい部屋で、スペイン人ホセとその兄弟たち、そしてダーリンと私で楽しい夕食会をした。
写真下はダーリン行きつけだったダブリンハウスというアイリッシュバー。ブロードウェイと79(か78)ストリートにある。本当にふわっとタイムトリップのような気分になる。
もう歩き疲れて、あれしか胃に入らない。そう思って探したのはベトナムのフォー。今夜はこれで明日に備えて。
また一週間💛