今年の夏はBCにもいかず、とてもセービングモードをダーリンから感じる。
というか、ダーリンは私と違って、家族との絆をとても大事にするので、兄弟や親せき、甥っ子姪っ子がカナダに来るとかいうと、張り切って大サービスをし、いい思い出を作ってあげたいと旅行計画を立てるのだけれど、今年は誰も一応来る予定がないし、ダーリンが10月にモロッコ帰国予定と言う事で、本当に何もない。
私はと言えば、クライアントのG夫婦と彼らの愛犬がヨーロッパへ自前の船を使ったクルーズへと旅立ったために、ほかのプライベートのクラスを土曜日に移して日曜は休日となっていた。それももうすぐ終わるけれど、とにかく時間がある時はちょっと散歩。地味に充実していている。気候が良くて外の景色が美しいせいか、なんとなく楽しい気分になっているのかもしれない。
だけど、地味な人の話は全く面白くないだろうから、そうでない人の話にしよう。
これがボートライフを楽しんでいるリッチな犬、スクラフ。Gがテキストで送ってくれた。Gは数か月前に彼女を今回の旅に連れていくことを決意し、中型犬のスクラフを飛行機に預けるための手配をした。カルガリーからローマまでなぜか直行便があり、それに乗った後は犬もつれ込みオッケーという、さすがヨーロッパ、電車を使ってギリシャに入り、あとは思うままのクルーズというのが当初の予定。ところが、イタリアの空港ではある夏の期間、動物の荷物預かりはできないことになっているという。空港のランプ内が暑すぎるからだそうだ。それで急遽行先を変更しフランクフルトへ。こちらも直行便がある。フランクフルトからは電車の旅が若干長くなるけれど、それもまた愛犬と一緒なら楽しいし、ましてやGが好きなヨーロッパ内ということで問題なしの計画となった。
で、また問題が発生。カナダから飛び立つ飛行機会社が動物の預かりをこの夏キャンセルすると7月の頭ぐらいに発表したのだった。カナダと言えば、この夏特にトロントとモントリオールの空港サービス、エアライン事情が悲惨で、ラゲージはなくなる、遅延は当たり前、人手不足でどこもかしこもめちゃくちゃであった。もともとトロントの空港はラゲージがなくなる空港第一位なんだそうだ(ちなみに2位がモントリオールで、3位がイギリスのヒースロー)。
そのニュースを聞いて、Gも慌てたし私も心配したのだが、予約をある時期以前にすでにしている人に関してはそのまま続行できるという規制だったらしくセーフ。ご覧のように船の上のライフを満喫しているわけである。
犬というのはほんとに感受性が強くて愛おしい。このスクラフは、いつもGのピラティスのレッスン時には一緒にいて、私のクラス時間の3分の一はスクラフのマッサージをすることになる。ある日ダーリンと喧嘩をした次の日だった。大したことではなかったが、その時は結構しょぼくれて、Gがあまりにも優しいので、そんなはずではなかったのだが涙が出てしまった時のこと。涙を拭いたちり紙を握る私の手をなめては励まし、出直そうとトイレに駆け付ける私の後を追い、ドアの前に座って心配そうに見つめてくれていたことがあった。普段は絶対私の後を追うことはないのに。
どうか、スクラフが帰りの便でも、処方されたお薬ですやすや寝てあらあらあっという間にカルガリーに着いちゃったというぐらい楽な旅でありますようにと願って。
また一週間💛