武士の姿勢:Samurai Attitude

 こんな、学校の校庭みたいなところで堂々と休んじゃって、そうとう警戒心がなくなってきているなーと思いながら一枚。

 だけど、また考え直すと、この場所は木々がないせいで見渡しがいいし、実は非常に警戒心を重視した休憩場ともいえるかもしれない。彼も薄目を開けながら耳はしっかり立てている。私ごときには身動きもしないけれど、ちゃんと状況を把握しているに違いない。うーん、鹿、なかなかやるじゃん。

 警戒心に関連して、我がコンドミニアムによくおこる強盗や、カルガリーで起こったことやよく起こりえることなどの、「カナダは安全で鍵をかけない」はジンクスかもということをちょっと今日は話そうと思う。

 まずコンドミニアムでの話をすると、何度か起こったことの中に、地下にあるパーキングに何者かが入って車の窓ガラスを壊して物を盗むという被害にあった住人が何人かいる。3ビルディングある中、すべてのビルで別々の日に起こっている。地下のパーキングに車で降りてくるには、それぞれシャッターを開けるセンサー式のカギが必要なのだけれど、その際に後ろから一緒についてくる車はいないか確認するようにとの忠告がある。

 郵便物もたまにポンと入り口に置かれたり、ドアの外に置かれたりするのだけれど、運悪くちょうど盗人が入って取られたという人もいる。フェデックスの郵便で、最近家具をちょっと購入したのだけれど、それがやっぱり下の入り口に置かれてしまい、同じビルの住人の人がわざわざ部屋に来て教えてくれたと言う事があった。フェデックスにはコンタクトナンバーを伝えてあり、その番号にかけてくれるはずなのに、荷物が何回かに分けてきたうちの初めの一回しかちゃんと電話をしてくれなかった。こういうところは生活の小さなフラストレーションの一つなのだけれど、なかなかルール通りに行かない。

 地下のパーキングには、有料で倉庫を借りている人もいて、もちろんそのカギはオーナーしか持っていないはずなのに、倉庫に入れておいた自転車を盗まれた人もいる。何度か監視カメラが犯人を捕らえていて、ごく最近の事件では、「今回はだれがやったかわかっている」みたいな文章をそえて、彼らの写真をプリントしていくつかある入り口のドアやエレベーターの中に貼ってある。

 ダーリンは意外と警戒心が緩いというか、抜けていると私は思うのだけれど、部屋のドアのカギをかけずに一晩寝過ごしていたりとかはよくある。このコンドミニアムには部屋のレベルというか、お高い部屋もあれば一番リーゾナブルな部屋もあるのだけれど、購入するときには4階と3階はすでに売れ切れだった。我が家は2階なのだけれど、ちょっと4階まで興味があって見に行ったことがある。4階の部屋は見事に、みんな暗証番号を入れて開けるロック式のカギに変えていた。

 色々な仕事人が来るし(清掃とか、修理とか、ペインターとか)、疑い始めると本当にすべての人が怪しくなるけれど、ある意味、運もあるというか、避けられないことなのかもしれない。

 いつかブログに書いたことがあるけれど、以前クラスを持たせてもらっていたピラティススタジオは2度ほどドアを壊され強盗が入った。カルガリーでは駐車しておいた車のガラスを割られて車内のものを取られるというようなことは頻繁。特にものすごく金目のものというわけではなくても、座席にものを置いて駐車することは禁物である。

 クライアントのGの家はその昔、ホームレスが二階から降りてきて、宿として使っていたということがあったという。かなり思い出したくない出来事だったようで、Gもあまり詳しくはしゃべりたがらなかったが、やっぱりいろいろ取られたようだった。

 カルガリーから越してきたという日本人のある方は、引っ越した理由の一つに、カルガリーの自宅に強盗が入ったことがきっかけとなったという。

 ま、と言うように、アメリカのような銃殺事件は比較的少ないとしても、起こることは起こっているのがカナダであり、自分の身は自分で守るという姿勢はどこでも大事というところだろうか。それでも親切な人も多いのは事実だと思う。

 と、それにしても強盗のプロはいるのもだ。やられた時の悔しさは本当に私も経験がある。でもやっぱりつい油断してしまうというのが人間だろうか。

 武士は油断はしないものという言葉のような鹿の体制、なかなか見習いたい。

 また一週間💛