おいしいものをいただいた。日本には本当に何でもあると思うけれど、ここはそういうわけにはいかないから、ありがたみも増倍。
これは、Venchiというチョコレート屋さんで、本店はイタリアなのだそうだけれど、私は初めて知ったし、初めて食べた(と思う)。ヌガーというとすごく濃厚でチューイーなイメージがあるので特に興味がなかった。でもこれは、チューイーでもなく、甘すぎず、すごーく贅沢で大人で素敵な食べ物だった。なんといっても、ラムの味が本物っぽい。
くれた人は、よくここで登場する私の大好きなクライアントのG。Gはもともとイタリア人。ヨーロッパのおいしいものを知っている。その日、話はお酒の話から始まったのだと思う。お酒はあまり飲めないけれど「あれなら飲めるわ、なんだっけ・・・」というから「ザンブカ?」と言ったら見事当たった。「そう、あれはね、コーヒービーンズがグラスに落とされていて、そのビーンズをかむのよ」と教えてくれる。私も飲めない体質だけれど、ラム酒はお手頃で手に入りやすく、料理やお菓子にも使うので、家にだいたい置いてある。たまにそれをちょこっと小さいグラスに入れてなめるのは好き、というと、このチョコレートの話になったのだった。
帰り際にこの貴重なバーをまるごとくれたG。家に帰って、コーヒーを入れてダーリンと小さい一切れを食べると、二人とも「おいしー」と、もうちょっとおかわり。その旨をテキストで知らせるとGはとてもよろこんでくれた。その後Gはこのラム酒バージョンがまだ売っているか調べてくれていた。ところが、ネットでもないという。まあ、特別バージョンの季節ものだったのかもしれない。とにかくこんな素敵なチョコレート屋さんを知れたことにわくわくしている。
チョコレートの話になると、二人ともそれなりの好みがある。私が普段食べるのはLindtのダークチョコレート。だけどあるスイス人が、スイスのLindtチョコとドイツのそれとはまったく味が違うという話をしてくれたことがあった。それはミルクの違いだという。その話を聞いて、同じカンパニーでもその国の工場で作ったLindtのチョコレートを食べて比べてみるのも面白いと思っている。とはいってもダークだから、ミルクの違いだったら影響はないかもしれないが。
Gはミルクチョコ好き。ベルギー産チョコはあまり好きではないという。どうも、オイリーな感じがあるという。私はクリスマスに、オーストリア産のマジパンの入ったモーツアルトの肖像画がシンボルのチョコをGにあげたのだけれど、それはおいしかったと言ってくれた。それから、ダークチョコでも中に何か入っているのは大好きという。
日本にいると、ちょっと駅ビルの地下のお店なんかを歩けば、それはそれはすてきなチョコレートや菓子が並んでいるけれど、ここの生活だと、なかなかそういう光景には合わないために、そのおかげか、とっても甘ーくて楽しい妄想の広がるひと時を味わった。もちろん、贅沢な本物のチョコレートも。
76歳のGは、最近ちょっと体の不調を感じると言って、「あ、これかー、年を取ったと感じるときっていうのは」という。いやー、ここまで何も感じず過ごしてきたあなたがすごい思う。かなりイキな女性で憧れでもある。
最近、骨盤底筋に効くというマシーンマッサージみたいなものにサインをしたと言って、二人で話題にしている。私はピラティスとエクササイズで鍛えて、そのマシーンと張り合うわ!と冗談を言い、二人でスクワットをしながら笑う。
躊躇なくライフを楽しみながら、それでもよく働いてきたGは今年はリタイアする。とはいえ、自営の法律家だし、少々スローダウンしてはいるけれど、それでもなんやかんやといろいろやることはあってそれなりに忙しいという。コロナの規制がなくなってきたから、Gの本来の旅行のペースも元に戻り、2週間後にはロンドンに2泊、その後ポルトガルへ行く予定。そのあとはいったん帰っては来るけれど、すぐにワシントン州にいる息子さんとお孫さんにい会いに行く。そんな76歳はかなりアクティブだと思う。
彼女は日本のあんこ系、餅系のお菓子は大好きだから、また帰国できたら買っていきたいなと思うけれど、ああ、このままでは飛行機代は2倍というから恐ろしや。
また一週間💛