形から中身までーFrom Kata To Insight

 衣食住のうち、人それぞれ比重が違うと思うが、それでも人間らしく気持ちよく暮らすためにはそれぞれに最低限の配慮を保っているのが普通だと思う。

 精神が病んでしまったときは別として、人間はここまで進化してきたことを忘れず、これからも謹んでよりよく生きていかなければならない、と思わせる本の内容があった。かなり説明が生々しく美しくないので、ここからの文章は読む方の裁量に任せることになる。

 かなり前から読みたいと思いながらなかなか読めていなTheSilkRoadというPeter Frankopanという人が書いた歴史書を、去年の暮近くからまた読み始め、やっと5,6世紀からイスラム教が繁栄したところを読み終え、次の幕となる9世紀入ったところだった(まだまだほんの前半で先が遠い)。このころ、バグダッドのきらびやかで贅沢な生活とは裏腹に、ちょっと郊外にはバイキングのような人たちがいて、その生活はまだまだ野蛮で衛生面でもお粗末なものだったという。そういう地方でも、そこの王様や知識人たちは、イスラム教の教えをちゃんと学びたいと申し入れ、それに答えるために派遣された人たちがいた。その一人、イブン・ファドラーン(Ibn Fadlan)という人のボルガ(Volga) 地方での見聞録は有名らしい。

 

 バグダッドのようなところから来たイブンの目には、そこの遊牧民たちの生活はかなりショッキングだったようだ。彼曰く、「彼らは平たいテントに住み、うろうろとあてもなく歩いているような貧困な人たち。彼らは用を達した後は洗わない(そもそも水のアクセスがない)。そこにいる女性たちと言ったら着物を着ておらず、何かで覆ってもいない。ある夜などは、彼ら(部族の男性)が集まっていた中の一人の男性の妻が真っ裸で一緒にいた。するとその女性が、我々が話している最中に、素手で自分の性器をかいた。我々が見ているその前でだ。部族の男性陣は手で目を覆い、夫の男性は”神の許しを求める”と言ってただ笑ったのだ。」

 まあ、なんというか、原始人から始まった私達は、元は非常に、今から言えばだけれど、動物よりもおぞましい習慣があったろうと思う。必要あってか人間として進化して、恥を知り、礼儀ということも知り、清潔ということも学んだわけが、すべてが何かに学んでこなければ身につかないものなんだと改めて思う。

 極端な例だったけれど、もっともっと学んで人間として進化したいと思わせる章だった。

 気分が悪くなった人がいたら本当に申し訳ないのだけれど、私にとっては学びだった(繰り返して読むと笑いも出てくるけれど)。というわけで、歴史から学んでいきたい心境の昨今。失礼。

 また一週間💛